第12回 応募開始!

みらい文庫大賞からのデビュー作家たち

過去の受賞者の作品と、デビューまでの道のりについて、インタビューを紹介します。

『悪魔のパズル』シリーズ

天川 栄人(てんかわ えいと)

第9回大賞

受賞したときのこと、教えてください
児童文庫への投稿はこれが初めてだったので、「ダメ元で一度チャレンジしてみよう」くらいの気持ちでした。まさか大賞をいただけるとは夢にも思わず、お電話でご報告いただいたとき、本当に嬉しかったのを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
子どものころから、そして大人になった今でも、子ども向けの本が大好きだからです。中でもみらい文庫大賞は、過去の選評から編集部の方々の想いが感じられ、ぜひ投稿してみたいと思いました。
これまでの投稿歴は
もともと大学在学中にライトノベルの新人賞でデビューし、作家として活動していました。そのときは二回目の投稿で受賞でしたから、ありがたいことにデビューには比較的苦労しなかった方だと思います。
ただ、デビュー後はなかなか思うように結果を出せず、たくさん悩みました。行き詰まり、自分が本当に書きたいものを改めて考えたとき、子ども向けの物語を書いてみたいと思ったんです。まったくの畑違いではありましたが、結果としてみらい文庫で賞をいただけたので、思い切って挑戦してよかったです。
アイディアは何から着想を得た
友達がいっぱいいて、勇気があって、明るく行動的。そんな主人公ってかっこいいけど、自分自身は子どものころ、そういうタイプではなかったなと思って。クラスの隅っこにいる、内向的で繊細な男の子を主人公に据え、たとえば「クラスメイトに声をかける」とか、ほんの小さな、だけどその子にとっては途方もなく困難な冒険を、明るくコミカルに描きたいと思いました。
書籍化するにあたって苦労したことは
投稿作からプロットに大きな変更はなかったのですが、お話がのんびりしすぎていたようで、「もっと緊迫感を出して」と何度も言われました。制限時間やペナルティなど、設定の追加ももちろんですが、具体的に「走らせましょう!」と言われてからは、よどみなく疾走感のあるストーリーを心がけるようになりました。
原稿を書く際に気をつけていることは?
読者は未来を生きる子どもたちであることを強く意識しています。無意識のうちに旧来のダサい価値観を押し付けないよう、若い世代にリスペクトを払い、自分自身、常にアップデートしていかなくてはならないと思います。
特にジェンダーや家族のあり方には気を遣っていて、「男の子/女の子ってこういうもの」「普通の家族とはこういうもの」といった一方的な書き方は絶対にしないよう気をつけています。
応募者に何かひと言!
自分が本当に書きたいものに誠実でいた方がよいと思います。流行りを研究するのももちろん大切ですが、売れ筋に寄せるあまり自分を殺してしまっては、一時的にはうまくいっても絶対に長続きしません。
私もこの分野では新人なのでえらそうなことは言えませんが、「書くの楽しい!」っていう純粋な気持ちを忘れず、ともに頑張りましょう!

『ことばけ!』

衛藤 圭(えとう けい)

第7回優秀賞

受賞したときのこと、教えてください
最終選考の日は仕事だったのですが、いつ連絡が来るのかと携帯が気になって仕方ありませんでした。最終選考に残ったという連絡をいただいてからはずっと緊張していたので、優秀賞の受賞を知った時は嬉しかったのと同時に、ホッとして力が抜けたのを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
みらい文庫が創刊した頃に書店で見た「赤毛のアン」の羽海野チカさんの表紙イラストがとても印象に残っていて、憧れていたレーベルの1つでした。 受賞作の「擬音つかいはフワリと進む」を集英社みらい文庫大賞に応募したのは、アイディアを思いついたタイミングがちょうど応募時期と重なっていたからですが、今振り返るとすごく幸運だったのではないかと思っています。
これまでの投稿歴は
初めて投稿したのが21歳で、第7回集英社みらい文庫大賞の優秀賞をいただくまでに12年間小説の応募を続けていました。 最初は自分がどんなジャンルに向いているかも分からなかったので、書きたいと思ったアイディアを優先して様々な賞に応募していました。26歳の時に児童書の新人賞を受賞したことがあり、それからはこのジャンルを中心に応募を続けるようになりました。
アイディアは何から着想を得た
当時聞いていたラジオの中で「パーソナリティが話した内容にぴったりなオノマトペを当てる」みたいなクイズのコーナーがありました。そのコーナーではいわゆる「ボケ回答」みたいな感じで、わざと間違えている回答もたくさん読まれていたんですが、その1つ1つにパーソナリティーが全力でつっ込むのが面白くて、すごく好きだったんです。
それを聞いているときに「でたらめなオノマトペがきっかけで不思議な現象が起こったら面白いんじゃないか?」と考えたことがきっかけで、「擬音つかい」のアイディアを思いつきました。
書籍化するにあたって苦労したことは
書籍化までの道のりは、受賞よりも大変だったように感じます。受賞作の要素を残しつつ、より読者に楽しんでもらえるようにアイディアを練り直す所から時間がかかってしまって……担当の方にはかなりご苦労をかけてしまいましたが、辛抱強く付き合ってくださったおかげで受賞時の自分では想像もできなかった程の良い作品を完成させることができました。
原稿を書く際に気をつけていることは?
当たり前かも知れませんが、書き上げた後の推敲には必ず時間を使っています。特に自分は誤字が多くて何回見直してもミスが出てしまうので、なるべく減らせるように時間がある限りチェックしています。
あとは、作品を書き上げた後は1度パソコンの画面で読み返し、2度目はプリントアウトして読み返すようにしています。思い込みかもしれませんが、印刷した状態だとパソコン画面とは違う感じに見えて、1回目では見過ごした部分が気になったり、気が付かなかった誤字や脱字が見つかったりすることが多いような気がします。
応募者に何かひと言!
児童向けの作品は文章力と魅力的なキャラクターだけではなく、シンプルで面白いアイディアを考えつくことも大切だと思います。簡単そうで意外と難しいことですが、普段見ているテレビや聞いてるラジオ、その他の日常生活の何気ない所にもアイディアのヒントが隠れているはずです。いろんなことに好奇心を持って、素敵な物語を創造してください!

『恐怖チャンネル』シリーズ

藍沢 羽衣(あいざわ うえ)

第4回優秀賞

受賞したときのこと、教えてください
最終選考に残ったというお電話の際、あらかじめ選考会の日と時間を教えていただいていたので、休暇を取って万全の態勢でお待ちしていました。ドラマや映画では、連絡を待つ人がむやみに部屋の中をウロウロするシーンがありますが、リアルにあの状態でしたね。電話が鳴って「優秀賞です」とお聞きしたときは信じられませんでした。
なぜみらい文庫に応募したのか
子ども向けの読み物の投稿先を探していたとき、ちょうど第1回のみらい文庫大賞の告知をWebで見つけたのがきっかけです。とはいえ当時はエンタメ性の高い『児童文庫』と『児童文庫以外の読み物』の違いがわかっていなかったので、ガチガチの児童文学を投稿してしまいました。
これまでの投稿歴は
本格的に小説を書き始めたのは就職してからです。当時はジャンル分けなどもよくわからず、大人向けミステリ系の小説講座に一年ほど通って鍛えていただきながら、児童書からラノベ、ノベルス系、大人向けのミステリなど、手当たり次第に投稿していました。
賞をいただいたのは、ジュニア冒険小説大賞の佳作(岩崎書店さん)、北日本児童文学賞の最優秀賞(北日本新聞さん)などです。 みらい文庫大賞で優秀賞をいただいた後にも、活動ジャンルを模索していく中で小説投稿サイトのコンテストで受賞、書籍化していただいたりもしました。
アイディアは何から着想を得た
優秀賞をいただいた『ごしなん!』は、映画『天地明察』を観て『和算』を知り、「児童文庫で和算のエンタメを書いたら面白そう!」とひらめいたことがきっかけです。
『恐怖チャンネル』の場合は、いわゆる実話怪談系の本が元々好きで、たくさん読んできたことに加えて、近年の児童文庫で人気の『都市伝説やウワサ』を扱ったホラー作品群を読んで「こういうのを自分なりの味付けで書いてみたい!」と思ったのがきっかけです。
書籍化するにあたって苦労したことは
『ごしなん!』でいただいた優秀賞は、出版確約ではないことに加えて、「これを刊行レベルにまで持っていくのは相当大変ですね……」というスタート地点からの出発でした。なので改稿でハチャメチャに難航し、結局一年後くらいに本作の改稿断念を申し出させていただきました。
その後に活動ジャンルを模索してキャラ文芸などにも挑戦する中で、一冊刊行するまでに最高で三十万字超の書き直しをしたことがありまして、おかげで二万字や三万字程度の改稿なら全然苦ではならなくなりました。無駄な経験は一つもないのだと思います。
原稿を書く際に気をつけていることは?
読みやすさとわかりやすさ、そして文章のリズムです。そのためには一文をなるべく短く区切りつつ、Wordに原稿のレイアウト(40字×28行など)を設定して、画面が文字で真っ黒にならないよう、常に文字量を調整しながら書き進めるようにしています。
それと、とにかく物語を早く立ち上げることでしょうか。冒頭からいきなり事件を起こし、なるべく説明文ではなく会話や描写で、物語の舞台やキャラ設定などを語るようにしています。
応募者に何かひと言!
みらい文庫さんは、刊行する本の内容はもちろん、受賞者に対しても懐の深いレーベルです。こんな私のように、改稿で挫折したあげくに武者修行の旅に出た上、数年後に戻ってきても、どんと来いで企画を見てくださいました(笑)
また、(実は私もそうだったのですが)最終選考に残らずとも、作品に何か引っかかるものがあれば、担当さまが付いてくださって、二人三脚で受賞や刊行を目指すこともありますよ。
一緒にがんばりましょう!

『迷宮教室』シリーズ

あいはら しゅう

第8回優秀賞

受賞したときのこと、教えてください
応募してから毎日「いけるだろ!」「ダメかも……」と感情が日々浮き沈みしていたので、優秀賞を頂けたという連絡が入った時は「まさか!」と思いました(ちょうど気分が沈んでいた日でした)。仕事終わりの帰り道に頂いた電話だったので、立ち止まった時に見た夕方から夜に変わる紫がかったオレンジ色の空は一生忘れないと思います。
なぜみらい文庫に応募したのか
少年時代から、いわゆるジャンプっ子だったので毎週月曜日の学校終わりが楽しみでした。そんな日々を過ごしていたので、自分の中で集英社は特別な存在であり、そして学校で司書をやるにあたって児童文庫と出会う事でその魅力を知り、自然と「書いてみたい」と思うようになりました。なので、応募するなら絶対「集英社みらい文庫」だろうと。それ以外には考えませんでしたね。
これまでの投稿歴は
そんなに多くを書いてはいないのですが、書いたらとりあえず〆切が近い賞に出していました。もちろん結果はふるわずでしたが、不思議と書くのはやめられなかったので、書き続けて、応募して、を単純にくり返していました。色んなジャンルを書いたと思うのですが、児童文庫の賞への応募はみらい文庫が初めてでした。
アイディアは何から着想を得た
小学生の時、道徳の授業ではいつもみんなの意見がバラバラだったんです。みんなの発言がまっ二つにわかれても、そのうち第3の意見が出てきたり。でも、そのどれもが間違っている気もしなくて。けっこうグチャグチャなまま授業が終わってたイメージだったんですけど、不思議と楽しい。あの時の感情をどうにか形に出来ないかなと考えるうちにたどり着きました。
書籍化するにあたって苦労したことは
ズバリ、書き直しの作業ですね。もちろん書き直しはいつでもやっていたのですが、それとはレベルが違いました。一文、一文字に対して原稿に穴が開くほど見直しながら考え続ける。そうやって物語と向き合っていくうちに、だんだんと自分とも向き合えるようになっていって、もっと深く、もっと深くとひたすらもぐり続ける作業は精神力をきたえられました。
原稿を書く際に気をつけていることは
「面白さ」と「わかりやすさ」ですね。
自分が面白いと思えるのは当たり前ですが、それを読者が面白いと思えるか。をつねに考えるようにしています。やっぱりわかりやすく面白さが伝わってほしいので、ちょっと難解なシーンなんかがでてくると、どうやって見せればここの面白さが伝わるかなと、頭をひねり続けています。
応募者に何かひと言!
まだまだ新人の僕が言うのもなんですが、自分が「面白い!」と思うものを信じ続けて欲しいなと思います。その感情はまちがってないと思うので。それを受け手にどう伝えるか、どうやって見せれば伝わるかを意識して書き続ければきっとデビューにつながっていくんじゃないかなと。僕の場合はそこをしっかり意識してからデビュー出来たので。応援しています!!

『恋する図書室』シリーズ

五十嵐 美怜(いがらし みさと)

第7回最終選考候補

三次選考通過したときのこと、教えてください
最終選考に残ったという電話を頂いたのは、当時勤務していた図書館に出勤しエプロンをつけている最中でした。パニックになって、聞かれてもいないのに担当さんに勤務時間を伝えたのを覚えています(笑)ただ、後からこんなことを言うと負け惜しみのようになってしまいますが……HPで他の候補作の題を見たとき、「賞は難しいだろうな」と感じました。他の作品はみんな、タイトルだけでも面白そうだったんです。この時点で気持ちの面で負けてしまっていたのかもしれません。このときの悔しさをバネに「絶対デビューする!」と決意しました。
なぜみらい文庫に応募したのか
図書館で選書したみらい文庫の書籍の帯で第7回のお知らせを見たのがきっかけです。趣味でずっとティーン向けの恋愛小説を書いてきたので、恋愛もののシリーズが人気のみらい文庫なら、近い作品が作れるんじゃないかと感じました。
それから、第1回〜4回の審査員が尊敬しているあさのあつこ先生だったことも、私の中では大きな理由の一つです。同じ場で審査に携わった編集者の方に読んでいただけたら嬉しいなと思いながら投稿しました。
これまでの投稿歴は
中学生の頃から自分のHPに小説を掲載し、いつか作家になりたいという思いもあったのですが、なかなか長編を書ききることができずにいました。WEB小説の短編賞などには何度か応募しましたが結果は出ず……。そんな中、友人が漫画雑誌の新人賞を受賞して漫画家デビューしたんです。そこでようやく「私の『いつか』は、いつなんだろう?」と思い、今年本気で挑戦しないと絶対に後悔すると感じて、締切の日の夜に応募作を完成させ郵便局に駆け込みました。今でも原稿の合間を縫ってプロアマ不問の公募に挑戦しています。
アイディアは何から着想を得た
投稿作は他の方と被らないことを意識してスポーツものだったのですが、やっぱり恋愛もので書籍化を目指そうということになって。ネタ帳に小さく「本好き女子と人気者男子」と書いてあったのを初代担当さんが拾いあげてくださいました。当時、よく図書館を利用してくれていた「るなちゃん」というおとなしい感じの女の子がいて、「こういう子が思いがけない出会いをしたら素敵だよね」と思ったのがきっかけです。そのあとプロットを一気に5本提出し、かろうじてボツにならなかったものが「恋する図書室」1巻のベースになりました。
書籍化するにあたって苦労したことは
やはり、度重なる改稿です。1巻は刊行のGOサインが出るまで10回以上修正しました。直しているうちに、自分が最初に考えた話とどんどん離れていくのが苦しかったです。当たり前ですが、書きたいものだけ書けるわけではないのだと痛感しました。最初にプロットを出してから出版に至るまで、1年と少し。担当さんには「負けず嫌い」だと称されました(笑)諦めずにとことん向き合ってくれた担当さんには感謝しかありません。
原稿を書く際に気をつけていることは?
登場人物の成長を、難しい話になりすぎないように描くことです。楽しく読めて、なおかつ読んでくれた人の背中を押せるような一冊になれば嬉しいなと思いながら書いています。 恋愛面においては「憧れ」と「共感」を意識しています。「自分もこんな恋がしてみたい」「こんなこと言われてみたい」「この気持ちわかる!」と思ってもらえるような、リアルなセリフとシチュエーションづくりを心がけています。
応募者に何かひと言!
私は受賞したわけではないので、アドバイスというよりはこの2年間編集部の方々と物語を作ってきて感じたことを……。
募集要項に書いてある「エンターテインメント作品」が受賞への一番のキーワードではないかな、と思います。一口に児童文庫と言っても、レーベルごとにそれぞれ特色がある。狙っている賞のレーベルの人気作を読んで、雰囲気を掴むことが大切だと思います。今のみらい文庫では、むやみに悲しい話や難しすぎる話よりも、子どもたちが楽しく読めてリアリティのある物語が求められている気がします。少しでも参考になれば嬉しいです!

『スプラッシュ!』

山村 しょう(やまむら しょう)

第8回大賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
三次選考まで残ったあと、しばらくして編集部の方から、お電話をいただきました。「もしもし」とでたあと、少し間があったので「ひょっとして『今回は落選でした』という知らせかなあ…」と思ったのですが、次の瞬間「大賞です」の一言。思わず「えっ!」と、叫んでしまいました。あのときのオドロキは、今でもはっきりと覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
私は児童文庫からデビューしたい思いが強かったので、①児童文庫の賞であること、②受賞後に作品を刊行していただけること、③いきおいのあるレーベルであることが条件でした。その条件に合った賞に合わせて、作品を書いていました。みらい文庫は特にいきおいがある児童文庫のひとつなので、応募しました。
これまでの投稿歴は
中学生のころから、短編童話をコンテストに応募していました。以前ある雑誌で『ルドルフとイッパイアッテナ』の作者・斉藤洋先生が審査員となり、童話を毎月募集する企画があり、最優秀賞を2回いただきました。あのときの経験がなければ、今の私はいないかも知れません。小説作品は10年ほど前から、児童文庫の賞などに投稿していました。
アイディアは何から着想を得た
大賞を受賞した作品は水泳のお話ですが、最初は「水泳って、習いごとをしている子が多いわりに、水泳がテーマの小説って少ないよなあ…」と考えたのがはじまりです。ストーリーづくりにおいてはいろいろな「マンガ」を参考にしながら考えました。
書籍化するにあたって苦労したことは
ひとつひとつの言葉に対して、自分がこれまでやってきた以上に、真剣に向き合わなければならなかった点です。自分が「よい表現」「おもしろいストーリー」だと思ったとしても、編集者の方など他人から見れば、そうでもなかったり…。「本当にこの書き方でよいのか?」ということを、何度も何度も考える。その作業に、もっとも神経を使いました。
原稿を書く際に気をつけていることは
「この言葉は、児童文庫の読者である小中学生がわかるか?」「このいい回しで伝わるか?」ということには気をつけています。言葉を、同じ意味でより簡単な言葉づかいに直したり、小学生に身近な言葉を、比ゆとして使ったりしています。あとは「おもしろさ第一主義!」です。どうすれば今よりもっとおもしろくなるか、つねに考えながら書いています。
応募者に何かひと言!
「どうやったら認めてもらえるか」をいつも考えつつ、しぶとく、書き続けてください! 発明王エジソンもいっています。「私たちの最大の弱点は、あきらめること。成功するためのもっとも確実な方法は、つねにもう一度やってみることだ」と。あとは、自分が書きたいお話に近かったり、世間でウケている小説やマンガ、映画やアニメを1日1作品は見ることをオススメします。

『パティシエ=ソルシエ お菓子の魔法はあまくないっ!』シリーズ

白井 ごはん(しろい ごはん)

第7回優秀賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
応募から受賞までの期間ちょうど無職で、最終選考に残ったという電話のときも、優秀賞をいただけたという電話のときも、某インクを塗りまくるゲームをしている最中だったので、いろいろな意味でとても慌てたことをよく覚えています(笑
なぜみらい文庫に応募したのか
知人から最近の子ども向けの小説は面白いという話を聞いて、みらい文庫を知りました。
わたしが幼い頃の児童書は教訓的なものが多かったので、いまの子どもたちの選択肢の多さにとても驚き、同時に羨ましくなったのです。ホームページで賞の存在を知り、ここに一色加えられたら楽しそうだなあと思って応募に至りました。
これまでの投稿歴は
ありません。
そもそもオリジナルのお話を書くのも初めてのことだったので、ほんとうにすべてが手探り状態でした。賞をいただけたのは、運がよかったのだと思っています。
ただ、それはつまり自分の考えたものを否定されたことがないという意味でもあるので、ネタがボツになったり書き直しが続くと心が折れそうになって困ります。
アイディアは何から着想を得た
子ども向け、と考えたときにまず浮かんだのが魔法でした。幼い頃の自分が好きだったものを考え、「お菓子&魔法」でいこうと思い、そこからストーリーと世界を広げました。
クラスメイトの知らない主人公の裏の顔とか、ミステリアスな大人の男の人が守ってくれる、など、昔から好きな要素を詰め込んだお話にしました。
書籍化するにあたって苦労したことは
受賞作をベースに、上手く書き直せたら書籍化と言われました。
そのために話を要素に分解し、構築し直すというのがとても大変でした。プロットが通ったあとも、小説自体に冗長な描写が多く、容赦なく削っていただき、やっと児童文庫のテンポを掴めた…と思います。
原稿を書く際に気をつけていることは?
とりあえず楽しく!です。自分も読者も楽しめるようなお話になるようにしています。
そしてテンポよく。読者の大半が子どもなので、おとなとは読書への感じかたが違うように思います。必要性のないシーンはバッサリカットして、主人公たちの見せ場を増やすようにしています。
応募者に何かひと言!
みらい文庫はとても懐の深いレーベルで、いままで出していないようなお話でも面白そうならどんどん出したいということです。いまがチャンスだと思います。
文章の巧拙にとらわれがちかもしれませんが、まずは小説として面白ければ、他の部分は編集さんがアドバイスしてくれるので、なんとかなります!
読者はいまの子どもたちということを念頭に置いて、心のままに書いてみてください。

『青星学園★チームEYE-Sの事件ノート』『ハロウィン★ナイト!』シリーズ

相川 真(あいかわ しん)

第2回優秀賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
仕事が忙しい時期で、「最終選考に残りました」というお電話に、全然出られなかったのを覚えています。着信履歴だけ見て「東京から電話? 何事?」と思っていました。賞をいただいたときは、うれしかったのももちろんですが、途中までぜんぜん実感がなくて、それぐらい信じられませんでした。
なぜみらい文庫に応募したのか
自分が子どものころ、児童書や児童文庫に本を読む楽しみを教えてもらったので、同じジャンルでお話を作りたいとあこがれていました。第一回、第二回のみらい文庫大賞の審査員に、大好きで憧れの先生方がいらっしゃったので、絶対ここ!と思っていました。
これまでの投稿歴は
初めての投稿が第一回みらい文庫で、第二回で拾っていただいたので、一年ぐらいです。その間に三作ぐらい、いろんな賞に送ってみた覚えがあります。投稿暦もしっかり小説を書き始めた歴も浅いので、最初は素人同然でした。
アイディアは何から着想を得た
デビューさせていただいた『ハロウィン★ナイト!』は、ティム・バートン監督の映画と、その時見ていたカードゲームのアニメです。『チャーリーとチョコレート工場』の色彩にすごくあこがれました。カードゲームは、名前を叫んで『召喚!』というのが、すごくカッコよくて、常々やってみたいと思っていました。
書籍化するにあたって苦労したことは
改稿に改稿を重ねたのがとても大変でした。自分の作品を見直して、ちょっとずつ直していくのは今でもメンタルが削られます。担当さんとのやりとりなど、何もかもが初めてで、メールやお電話をいただくたびに、慌てていました。
原稿を書く際に気をつけていることは
読み返したときに、自分がわくわくしながら読めるか、を大切にしたいです。テーマや素材を選ぶときにも「これが好き!」「これが絶対楽しい!」というものを、選ぶようにしています。自分が書いても読んでも楽しくないと、結局、読者さんが読んでいても、つまらないお話になるのではないかと、個人的には思っています。
応募者に何かひと言!
自分の本を書店さんの棚に並べていただいているという光景は、今でも夢みたいです。
同時にどれだけがんばっても、まだ足りないと実感させられる、とても怖い世界でもあると思っています。この幸せと恐怖を、ぜひ一緒に味わってほしいです。心よりおまちしております。

『怪盗ネコマスク』『月読幽の死の脱出ゲーム』『スーパーミラクルかくれんぼ!!』シリーズ

近江屋 一朗(おうみや いちろう)

第1回優秀賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
最終選考に残った時に編集部から最初の電話がかかってきました。その時は海外にいて天気もすっごく気持ちよく晴れていて、なんだこれは天国か、と思いました。それから、優秀賞に決まったと連絡があった時に、担当の編集者さんが「すみません大賞じゃなくて」と言ってくれたのですが、なにを言うんです、十分すぎるほど嬉しいです! という気持ちでした。
なぜみらい文庫に応募したのか
みらい文庫の本は「子どもが自分で手にとって買う」本だと思ったからです。読書嫌いな子だったので、本って楽しいんだよと自分と同じような子に伝えたかったんです。第一回の募集で、どんな賞かわからなくてワクワクしたということもあります。
これまでの投稿歴は
最初は絵本作家になりたくて絵本の賞に応募していたのですが、あんまり良い結果は出ませんでした。長編の賞に出したのはみらい文庫大賞が初めてです。絵本にもまだまだ地道に挑戦中です。
アイディアは何から着想を得た
大学で「遊び」の研究をしていたのでそれを活かそうと思いました。本の中なら現実では不可能なレベルのめちゃくちゃすごい「かくれんぼ」ができる! と思ってそれを形にしました。最初は小鳥が主人公だったり、忍者が主人公だったりしたのですが、紆余曲折あってふつうの女の子とかくれんぼ好きの変わり者の男の子の話になりました。
書籍化するにあたって苦労したことは
編集者さんに出すように求められた「読者が身近にいて欲しいと思うような女の子の友だち」は一番苦労しました。最初はよくわからなくて「大釜熊子」というぜんぜんかわいくなさそうな子を生み出しそうになってしまいました。
原稿を書く際に気をつけていることは?
小説は感情をゆさぶるためのメディアだと思っているので、頭ではなく心で書く、ということを心がけています。でも、書いているとついつい整合性とか妥当な感じとかそういうものが支配的になってきてしまうので、そういうときはダメだ! と思って書いていたものを一気に消したりします。
応募者に何かひと言!
児童文庫というジャンル自体にまだまだ限りない伸びしろがあると思いますし、みらい文庫はその中でも特にアグレッシブなレーベルだと思います。子どもたちを心から楽しませられるような、そんな新しい面白いことに一緒に挑戦しましょう!

『チーム怪盗JET』シリーズ

一ノ瀬 三葉(いちのせ みよ)

第3回期待賞

受賞したときのこと、教えてください
母と自宅にいたときに電話がかかってきたことを、今も鮮明に覚えています。
「期待賞だって! 賞がもらえた!」と大喜びする私の横で、母は泣いていました。
ただ、イレギュラーな賞で書籍化が約束されていたわけではないので、「これからもっと頑張らなきゃ夢は叶わないんだ」と、不安も感じました。
なぜみらい文庫に応募したのか
みらい文庫をはじめとした児童文庫は、本屋で棚一面にずらりと並んでいることが多くて、その前で、子どもたちが夢中になって立ち読みしてるんですよね。
「受賞すれば自分の本も並ぶんだ」「いつかはここに」と、夢を抱かずにはいられませんでした。
これまでの投稿歴は
大学を卒業してから物語を書きはじめ、同時に投稿もはじめました。
「子ども向けの物語を書きたい」ということはハッキリ決まっていましたが、対象年齢や書き方は何もわからない状態。とにかく読みまくり、書きまくりながら勉強しました。
絵本原作や童話、児童文学などの賞にかたっぱしから応募して、みらい文庫で期待賞をいただいたのは、通算26回目の挑戦作でした。
アイディアは何から着想を得た
「妖怪ものを書いてみたい!」というところからスタートして、パッとうかんだのは、子どもの頃アニメで見てた「トイレの花子さん」。でも、いわゆるテンプレ的な花子さんじゃ面白くないなと思い、「花子さんは女子高生」という発想に至りました。
そこに、都市伝説の「隙間女」から着想した『すきま世界』という舞台をくっつけて、物語を展開していきました。
調子に乗って要素をつめこみすぎたせいで、話はとっちらかっちゃいましたが……。
書籍化するにあたって苦労したことは
結局、『トイレの(すきまの)花子さん』では書籍化には至りませんでした。
受賞後、担当さんについていただいたのですが、原稿を直し続ける作業はとにかく辛かったです。必死に直して、結局「書籍化は難しい」と告げられたときは本当に心が折れそうになりました。
その後、企画を出してはボツの嵐をいただくという地獄にハマりましたが、それもなんとか乗りこえ、『チーム怪盗JET』シリーズを出していただけることになりました。
原稿を書く際に気をつけていることは
『キャラ』と『テンポ』です。キャラの個性や魅力を引き出すことを意識して、場面やセリフを選ぶようにしています。
それから、物語の立ち上がりはできるだけ早く、大きくうごかしていく、というのも心がけています。
応募者に何かひと言!
私は才能があるタイプでも経験豊富でもなかったので、投稿時代はとにかく過去の受賞作や人気作、創作ハウツー本なんかを読んで勉強してました。
あまり頭でっかちになるのは良くないと思いますが、自分に何が足りないのかを客観的に分析できるようになると、必要な努力の方向性も見えてきた気がします。
何歳からでもプロとしてデビューできる夢のある世界です。一緒に頑張りましょう!

『FC6年1組』シリーズ

河端 朝日(かわばた あさひ)

第3回・第4回応募

受賞したときのこと、教えてください
私は受賞したわけではなく、2度の一次選考通過という結果でした。ホームページの選考結果を見ていて自分の名前があったときは素直に嬉しかったですが、二次選考に残れなかったことが悔しくもありました。
まずはとにかく二次選考を通過したい、と応募を続けていた中で編集部の方から声をかけていただきました。電話でお話をしている最中も「もしかして夢なんじゃないか?」と信じられない気持ちでした。
なぜみらい文庫に応募したのか
初めて応募したとき私は中学3年生で、その頃は本屋や図書室でも集英社みらい文庫の作品をよく手にとっていました。読んでいた本の最後にみらい文庫大賞応募のページをたまたま見つけたのが、この賞を知ったきっかけです。
より自分に近い読者に向けた作品を募集している賞だと思い、集英社みらい文庫大賞へ応募を決めました。
これまでの投稿歴は
主に児童小説やライトノベルの賞へ投稿していました。その中でも集英社みらい文庫大賞は、中学3年生の頃から4年連続で応募していた賞です。自分が1年でどう成長したのか、どんな変化をしたのか、ということを形にするためにあらゆるジャンルの作品で応募を続けました。
アイディアは何から着想を得た
応募作品を書く時は、自分の好きなもの、一番関心があったものを出発点にしていました。歴史だったり部活動だったり作品ごとにバラバラでしたが、興味があるからこそ調べたり空想したりできていたのだと思います。
そして、同じものが好きな誰かが楽しめるようにイメージを膨らませました。『FC6年1組』も、私がサッカー経験者だったことから、もしもサッカーに夢中だった小学生の自分に向けて書くとしたら、どんな小説が面白いのか? と考えたところから始まっています。
書籍化するにあたって苦労したことは
私は作品を大勢の人に読んでもらうという意識が足りていませんでした。読者を冒頭から惹きつけるインパクト、ワクワクさせる展開、誰も予想できないどんでん返し……。思いついたアイデアを自分の中で楽しむものではなく、読者に楽しんでもらうものとするための工夫に苦労しました。
書いている自分が小説の世界を楽しもうと思いながら、あくまでも「読者」に向ける作品を書いている、という気持ちを持ち続けるようにしています。
原稿を書く際に気をつけていることは?
ひとりよがりにならないことです。「こんな表現が面白いかも」「こんな風にしたらかっこいいかも」と書いているときはノリノリでも、読む人には伝わらなかったり意味がわからないと思われたりすることがよくあります。
応募していたときは、作品を家族や友人に読んでもらっていました。自分では気付けないところを指摘してもらうと、冷静に作品を見られるようになると思います。
応募者に何かひと言!
小説に正解はありません。誰かを楽しませるための作品として自由奔放に、時には大胆不敵に書いてみるのはどうでしょうか。もちろん、応募規定はきちんと守りながらですが。
私もまだ勉強中です。みらい文庫大賞からどんな作品が読者に届くのか、首を長くして待っています!

『この声とどけ!』シリーズ

神戸遥真(こうべ はるま)

第5回優秀賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
最終選考に残ったという連絡はメールでいただきました。そこから結果発表まで三週間近くあり、結果発表の当日は落ち着かなくて朝から家の大掃除をしていました。電話で優秀賞受賞の連絡をいただいたときは、スマホを持つ手が震えたのを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
もともと中高生が主人公のヤング・アダルト小説を中心に書いており、みらい文庫大賞の応募要項に「小・中学生に向けた」との文言があったからです。
児童向けの文学賞はやはり小学生向けのものが多く、中学生向けの作品を応募できる賞は多くないので応募してみることにしました。
これまでの投稿歴は
10年くらい前から本格的に公募にチャレンジするようになり、みらい文庫大賞受賞時はちょうど108回目の応募をしたところでした。
とにかく色んな賞に応募しまくりました。複数回応募した賞だと、電撃小説大賞、講談社児童文学新人賞、ノベル大賞、ポプラ社小説新人賞などがあります。
アイディアは何から着想を得た
「この声とどけ!」は、しゃべるのが苦手な女の子がバンドのボーカルになる、というアイディアが出発点になっています。しゃべるのが苦手ならバンドより放送委員などの方がよいのでは?と担当さんからコメントをいただき、放送部というモチーフに変えました。そのあとはアナウンサーや言葉の本をたくさん読んだり、実際の中学校の放送部を取材させていただいたりして肉づけしていきました。
書籍化するにあたって苦労したことは
受賞作は美化委員会をモチーフにしたお話だったんですが、こちらでは書籍化が難しいということになり、新規に企画案を出し直すことになりました。そして、最初に出した企画案は即日全ボツでした(笑)
また、放送部というモチーフに決まったあとも大きくプロットを変えることが何度かあり、紆余曲折の末に現在の「この声とどけ!」の形になりました。
受賞したものの受賞作の書籍化もなく、大きな方針変更をくり返すことになったのが何より苦労した点ですが、その甲斐もあって「この声とどけ!」がこうしてシリーズとして世に出たので本当に報われたと思います。
原稿を書く際に気をつけていることは
とにかく「楽しく読めること」です。ストーリーそのものもそうですが、描写やセリフ一つとっても、面白いと思ってもらいたいです。音の響きやテンポ感が面白くなるよう工夫しています。あとは、私自身、明るい日常系のコメディが好きなので、ちょっとした会話でも楽しくなるよう頭をひねっています。
小説だからこそ、文章だからこその楽しみみたいなものも感じてもらえたら嬉しいです。
応募者に何かひと言!
勉強や鍛錬も大事にしつつ、何より書き続けていればいつかはいいことがあるかもしれません。公募歴100回を越えたときには私も心が折れかけましたが、108回目でいいことがありました。
そして、受賞してもそこからが本番です。たくさん書いてきた経験にこそ救われることがたくさんあります。ぜひ楽しみながら書き続けてください!

『かなわない、ぜったい。』『わたしがアイドルになれない理由!?』シリーズ

野々村 花(ののむら はな)

第3回優秀者受賞

受賞したときのこと、教えてください
最終選考に残った時点で一度お電話を頂いて、そこから受賞の連絡を頂くまでは毎日そわそわしていました。仕事帰りに歩いている時に優秀賞に決まったとご連絡があって、すごく嬉しかったのを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
小中学生の女の子が楽しく読んでくれるようなお話を書きたいと思っていて、かわいい挿絵をつけてもらえるみらい文庫に応募しました。(そして今、本当にかわいいイラストを描いてもらえて幸せです……)
あと、応募した時には意識していなかったのですが、わたしは小学生の時から『りぼん』の大ファンだったので、りぼんに広告を載せてもらえた時もすごく嬉しくて、みらい文庫大賞に応募してよかった!!とつくづく思いました。
これまでの投稿歴は
高校生の頃から、いろんな賞に投稿していました。一番最初に応募したのは、コバルト文庫のノベル大賞です。その後は、ライトノベルや一般文芸やマンガや絵本の賞にも投稿しました。でも、途中まではノリノリで書けても、最後まで書ききることがなかなか出来なくて、投稿していた期間のわりに、回数は少なめだったと思います。一次選考を通ることもほとんどなくて、二次選考を通過したのは、みらい文庫大賞が初めてでした。
アイディアは何から着想を得た
自信がなくて一歩ふみだせない女の子が勇気を出す話が書きたいと思っていて、楽しく最後まで読んでもらえるように、アイドルと恋愛と、ちょっとミステリーっぽい要素とを混ぜ込みました。
書籍化するにあたって苦労したことは
私が頂いた優秀賞は、受賞したら書籍化確定の大賞とは違い、「ちゃんと直せたら本になるかも!」という感じだったので、とにかく必死でした。応募原稿の段階では中学生の設定だった主人公を小学生に変えて、ストーリーも大幅に変更して、「もう書き直すより最初から書いたほうが早いんじゃ…」という状態でした。でも、編集者さんが感想やアドバイスをくれて、とっちらかってた話が少しずつ整っていく感じが嬉しくて、大変だったけど楽しかったです。その時の経験のおかげで、「書き始めた話を最後まで書く」ことが少しできるようになった気がします。
原稿を書く際に気をつけていることは?
とにかく読みやすく! を心がけています。具体的には、一文を短めにして、改行を多めにして、あんまり読書が得意じゃない子にも最後まで読んでもらえたらいいなぁと思っています。
あと、冒頭が大事! って教わったので、本屋さんで手に取って中身をチラッと見てくれた子が、続きを読みたいと思ってくれるような冒頭を書きたいと思っているのですが……、ほんと難しいです。
応募者に何かひと言!
今のみらい文庫大賞は、年に2回もチャンスがあったり、二次選考を通過したら選評がもらえたりと、とっても魅力的な賞だと思います。過去の受賞作を見ても、対象年齢さえ注意すれば、色んなジャンルの作品にチャンスがありそうです! ご自身の納得のいく作品が、締め切り日までに仕上がりますように☆! みらい文庫読者の1人として楽しみにしています!

『生き残りゲーム ラストサバイバル』シリーズ

大久保開(おおくぼ ひらく)

第5回優秀賞受賞

受賞したときのこと、教えてください
賞をいただいたのは大学を卒業して、2年が過ぎたときでした。携帯電話に集英社みらい文庫編集部からの留守番電話が残っており、もう一度電話がかかってくるまで、かなり緊張したことを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
ふだん応募していないジャンルに挑戦してみようというのと、作品募集のタイミングがちょうど良かった、というのが理由です。実は児童文庫の賞に投稿をしたのは、このときが初めてでした。
これまでの投稿歴は
児童文庫以外の賞には何度か投稿したことがあり、短編で小さな賞をいただいたことがあります。上記のとおり、児童文庫の賞に投稿をしたのは、みらい文庫が初めてです。
アイディアは何から着想を得た
スティーブン・キング(リチャード・バックマン名義)の「死のロングウォーク」という作品です。昔から「こういう作品がもっとあればいいのに」と思っていたので、その思いをこめて書かせていただきました。
書籍化するにあたって苦労したことは
余計な描写を削って、いかにテンポ良く進めるのか、という部分です。それまでは自分の書きたいものを書きたいだけ書く、という感じで、あまり意識していなかったのですが、「読者」に読まれることをとにかく意識しました。
原稿を書く際に気をつけていることは
見せ場のシーンを作ることです。極端な話、ストーリーを全然覚えていなくても、見せ場のシーンだけは忘れられないぐらい強烈なものにしようということを意識しています。
応募者に何かひと言!
『作品としての完成度』も大切ですが、『自分の個性』を前面に押し出してみるのもひとつの手だと思います。「コイツって、この作品以外にどういうのが書けるの?」と思わせればこっちのものです。頑張ってください!

『渚くんをお兄ちゃんとは呼ばない!』シリーズ

夜野せせり(よるの せせり)

第6回優秀者受賞

受賞したときのこと、教えてください
みらい文庫大賞には、第3回から応募していたのですが、2次通過した年から担当さんがつきました。プロットも見てもらっていましたが、幾度もボツになり、たくさん鍛えていただきました。受賞作を書いているときは、とにかくがむしゃらに何度も直しながら頑張りました。
最終に残ったという連絡があってからは、ドキドキして生きた心地がしませんでした。
受賞の連絡をいただいた時は、ほっとしてへなへなと力が抜けたのを覚えています。
なぜみらい文庫に応募したのか
もともと私は中学生ぐらいの年頃の子が主人公の話を書くのが好きで、児童文学や一般、ライトノベルなどの賞に応募していました。ですが、児童文庫の賞には出したことがありませんでした。ためしに書いてみようかと思い立ち、みらい文庫大賞の過去の選評を読んだところ、すごく面白く、ここに出そうと決めました。
子ども向けのエンタメは、書いてみたらとても楽しくてハマってしまい、毎年投稿するようになりました。
これまでの投稿歴は
児童文学、一般、ライトノベルなど。最初のころは手当たり次第に投稿しては玉砕していました。かなりの数だと思います。すべては思い出せません……。
毎年のように出していたのは、講談社児童文学新人賞、集英社コバルトのノベル大賞、みらい文庫大賞、新潮社の「女による女のためのR18文学賞」などです。2か月に一度締切りのあるコバルト短編小説新人賞にも出し続けていて、入選し、雑誌に作品を載せていただきました。
アイディアは何から着想を得た
私は、常に、ぼんやりと「こういう話を書きたいな」「こういう人物を書きたいな」「こういう街が舞台の話が書きたいな」などと考えています。うっすらとでも考え続けていると、ある時、アイデアがひらめくことがあるので、忘れないうちにネタ帳に書きこみます。 散歩をしたり料理をしたり、全然関係ないことをしている時に思い浮かぶことが多いです。ずっと空想ばかりしているので忘れ物やうっかりミスが多いです……。
何も浮かばないときは、ネタ帳を見返して書けそうなものを探します。
書籍化するにあたって苦労したことは
やはり、改稿に次ぐ改稿です。小説を「商品」として世に出すというのは、大変なことなのだなあと思い知りました。
特に悩んだのは登場人物の名前! 「渚くんをお兄ちゃんとは呼ばない」の、渚くんの兄の名前を書籍化にあたって変えることになったのですが、なかなか決まらずに苦労しました……。それに、タイトルやあとがきも(あとがきは、毎回苦労しています)。
でも、自分の作品にイラストがついたり、カバー見本を見せてもらったり、広告用にまんが原稿を描いていただいたり、動画をつくっていただいたり。まるで夢の中にいるようでした。発売されてからも、しばらくは、ドキドキしすぎて心臓がもつかどうか心配でした! そして、やたらと書店をうろうろしていました。あやしい客だと思われていたはずです。
原稿を書く際に気をつけていることは?
とにかく、「読みやすく」。読書に苦手意識を持っている子も、すいすい読めるような文を書くのが目標です。だからといって、ぱさぱさと味気ない文章にならないように気をつけている(つもり)です。書きあがってからも、スマホで横書き表示にしたり、紙に印刷したりして、何度も読み返して直します。それでもミスが見つかるのはいったい何故なのか……?
あと、途中で「ひょっとしてこの話はおもしろくないんじゃないか」などと思って詰まってしまうことも多いんですが、気にせず最後まで書くことにしています。後で直せばいいのです……!
応募者に何かひと言!
子どもの本を書くのは楽しいです! 私もデビューしたばかりなので、たいしたアドバイスはできませんが。楽しんでどんどん書いていきましょう、とだけ。どんどん書いてどんどん出すしかないので。私も負けないようにがんばります!
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