【キャラクターしょうかい】
ハルカ:明るい性格の中1女子。SNSで百物語をやろうと呼びかけた。
ナツキ:ハルカの彼氏で幼なじみ。頭がよくて落ち着いた性格。
アキラ:ハルカとナツキの幼なじみ。よく考えずにしゃべったり行動したりするところがある。
ミフユ:中学でハルカと仲良くなった女子。読書と怖い話が好き。
ハルカ:今日はただ怖い話をするんじゃなくて、怖い遊びをやってみない?
ハルカ:Tixtoxの動画で面白いもの見つけたんだ
ミフユ:このトークルームでできるの?
ハルカ:うん。『スクエアゲーム』っていうんだけどね
ハルカ:ところでスクエアっていう遊び知ってる?
ナツキ:降霊術みたいなもんだよな
ナツキ:たしか真っ暗にした部屋で、四つの角にそれぞれ一人ずつ立って、壁を伝って一人目が二人目のところへ移動して体にタッチして、次は二人目が……って続けてくやつ
ハルカ:そうそう、さっすがナツキ!
ハルカ:二人目、三人目、四人目と同じようにしていくんだけど、最後の四人目が移動した角って、もともと一人目が立ってたところだから、誰もいないはずじゃん?
ハルカ:だけどなぜか誰かがいて、タッチできちゃうらしいの
ハルカ:その謎の五人目は幽霊なんじゃないかって言われてるんだよね
ハルカ:それをメールでやるってわけ
ナツキ:要するに幽霊にメールできるゲームってことかな?
ハルカ:あせらないあせらない
ハルカ:まずはこのインフルエンサーの動画見てみてよ
動画の再生が始まると、画面に表示されたのは高校生くらいのかわいい女の子たちだった。全部で四人いる。
「はーい、では今日はスクエアゲームをやりまーす」
「スクエアゲームっていうのは、奇妙なことが起こるといわれている遊びなんですよ」
「やり方はこうです。まず一人目が二人目に『どうぞおはいりください』という文面でメールを送ります」
女の子の一人が、その文章が打たれたメールアプリの画面をカメラに向ける。
「次に二人目が三人目に、三人目が四人目に……と同じ文面で繰り返します。最後に、四人目は宛先を設定せずにメールを送信します。本当ならそのメールは送信できないはずなんだけど、なぜか送れてしまうことがあるみたいなんです。成功すると……何が起きるんでしょう? さっそくやってみますね」
さきほどメール画面を見せていた子が、
「送信したよ」
と言うと、二人目の子のスマホに通知音が鳴る。
次はその子が送信し、三人目も同じようにした。最後に四人目が、宛先が空欄のメールをカメラに向ける。
「じゃあ、いきますよ」
そして送信。息を飲む四人。 だけど、何も起こらない。 送ったメールもエラーになってしまったらしい。
「私たちは失敗みたいです、残念。みなさんもぜひやってみてくださいね。成功したら教えてください!」
アキラ:何にも起こってねえじゃねえか
ハルカ:この人たちにはね
ハルカ:この動画をきっかけにスクエアゲームがネット上で大流行したんだって
ハルカ:中にはメールが送れた人もいるらしいよ
ハルカ:本当に幽霊にメールが届くかやってみようよ!
ハルカ:ちょうどあたしたちも四人だし
アキラ:はあ?
ミフユ:面白そう
ナツキ:いいね、やってみようよ
アキラ:こんなのウソに決まってんだろ
ハルカ:あー! アキラ怖いんだ?
アキラ:はあ?
アキラ:んなわけねえだろ
ハルカ:じゃあ決まりだね!
ハルカ:一番目はあたしで、二番目がミフユ、三番目がナツキで、最後がアキラでいいよね?
アキラ:しょうがねえな
ハルカ:じゃあ、行くよ~!
ミフユ:メール来たよ
ミフユ:じゃあナツキくんに送るね
ナツキ:アキラ、送ったよ
アキラ:へいへい、こっちにも来たぜ
アキラ:宛先は空欄で、同じ文章で送るんだったな
アキラ:今、送ったけど
ナツキ:どう?送れた?
ナツキ:おーい
ハルカ:おーい?
ミフユ:アキラくん?どこか行っちゃった?
ハルカ:いなくなっちゃった?
アキラ:おい、何か変なんだけど
ハルカ:あ、いた笑
ナツキ:どうかしたのか?
アキラ:メール送ってすぐ、変な番号から着信があった
ハルカ:変な番号?
アキラ:9644って番号
アキラ:知らない番号からだったから出なかったけど何だこれ?
アキラ:おい、誰か知ってるか?
アキラ:おいってば